視覚障害者におすすめするCLI

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自身の経験と知識からこの記事を書きました。この記事を書こうと思ったきっかけから書いたので、すぐに本題へ進みたい場合は見出し(Hキー)を1回押してください。間違っていたらごめんなさい。

私が大学生の時に知り合った機械科所属の友人は、幼い頃からパソコンにふれており電子機器含めて機械が好きな人だった。大学の研究室に配属された時は水中ドローンを作っていた。

一方、私は自然科学を専攻し、当時は今ほど機械(電子含む)やプログラミングへの関心は無かったが、軍事関連、特に航空機、艦船、車両、通信技術などの共通の興味を持っていた。現代では電子機械が多く、それらはすべてソフトウェアやプログラミングで動いている。

彼の方が詳しく、私はインターネットで情報を調べることが多かった。私はプログラミングを使用する研究室に入ったことで、プログラミングに対する関心が加速し、簡単なコードを書いて遊んでいた。その過程で、ネットワーク技術の重要性に気づいた。昔は無かった通信技術が、現在では電話含めインターネットやネットワークが普及している。ここ数年では、インターネットを介したアプリの利用が当たり前となり、コンピューターやネットワーク技術への関心が高まった。

在学中からサーバーやネットワークに関心を持ちCLIを頻繁に使用するようになった。ちょうどその頃視覚障害者になり、現在PC-TALKERを中心に画面読み上げソフトでパソコンを利用している。最近強く思う事があり、ちょうどウェブサイトを作る課題が出たので本記事を書いた。この下に、ほぼコンピュータの仕組みが分からない人やなんとなくパソコンを使っている人にも読んでほしいため、OSとは何かを含めて視覚障害者にこそCLIをおすすめする理由を書く。

/目次/概要/なぜこの記事を書こうと思ったか_2

ここから本題。

パソコン、工場の機械、航空機、管制塔、艦船、車、予約システム、オフィスアプリ、メール、スマホアプリ、ゲーム、ネットバンキングなど、すべてがコンピューターによって制御されており、多くはサーバーなどを介したネットワーク通信によって更新されたり利用が可能となる。

そのコンピューターはOSによってアプリケーションソフトウェアやサービスを操作することができる。OSには、人が操作するためのインターフェースが大きく分けて2種類存在する。それがGUIとCLIである。CLIはCUIとも呼ばれるが、歴史的にもCLIが一般的だと思う。GUIは和製英語だと思われる。CLIへ進む前にOSが何をするソフトなのか簡単に紹介する。また、OSだけでなくハードウェアにもあるインターフェイスについても念のため解説する。

OSとは、コンピューターでアプリやサービスを利用可能にする基本ソフトウェアである。例えば、パソコンでウェブブラウザを使ってインターネットに接続し、ウェブサイトを閲覧するとき、OSがアプリケーションに通信の権限を与え、サーバーとのデータのやり取りを制御している。また、音楽ファイルを再生するときも、OSがスピーカーなどのデバイスとの接続を管理し、適切な権限を付与している。これらの設定はほとんどの場合自動で行われるが、たまに手動で設定する事もある。音楽ファイルを再生する時やアプリを実行するためにも、そのファイルを読む(read)、書く(write)、実行(execute)する権限を適切に管理している。

OSに必ず用意されているインターフェイスについても解説する。インターフェイスは日本語としてよく聞くが、英語のinterfaceである。

ネットで調べてみると、
a connection etween two pieces of electronic equipment, or between a person and a computer
となっている。(引用:ケンブリッジ

簡単に要約すると、ある電子機器同士又は人とコンピューターの間(つながり)といえる。interfaceを、interとfaceに分けて考えた方が覚えやすいと思う。 ラテン語のinter(間)と英語のface(面)を組み合わせたものであり、合わせて間の面、境界面、接点といった意味になる。

GuiはGraphical User Interface(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)
CLIはComand Line Interface(コマンドライン・ユーザー・インターフェイス)の略称である。

WindowsやMacなどのOSでは、多くのユーザーがGUIを利用している。GUIでは、デスクトップ上にアイコンやボタンが配置され、キーボードやマウスで直感的に操作ができる。
CLIは文字のみ画面に出力され、キーボードからの入力で操作を行う。CLIベースの有名なOSにはLinuxやUNIX系OSがある。画面のイメージとしては、Windowsのファイルエクスプローラーの文字のみ表示されている状態。

一見難しそうに思えるが、決まった法則のようなものを覚えれば効率的に操作できる。現在では、インターネットを通じて操作方法を簡単に調べることができる(chatGPTも十分使える)。昔は学べる環境が今ほど整っていなく、初期に登場した電子コンピューターはCLIで操作するのであまり普及はしていなかったと思われる。そこで、GUIのような直感的に操作が可能なインターフェイスが開発された。

私は、スクリーンリーダーを使用する視覚障害者にこそCLIの利用をおすすめしたい。また、CLIベースの視覚障害者向けのOSが誕生すると使いやすいと思う。理由として、
視覚障害者が使用するスクリーンリーダーは"文字"を読み上げる事
CLIベースのOSにもスクリーンリーダーが用意されている事
WindowsとPC-TALKERの相性が良く、CLIの学習環境・実行環境がある程度は整っている事
CLIベースのOSは軽量で動作が軽く、バグも少ない事
コンピューターのデータやシステム設定等がすべてファイルとして管理され、ファイル操作にはCLIが便利である事(もちろんアプリの起動も)
が挙げられる。

普段使いとして有効活用できるのが、ファイルやディレクトリー(フォルダー)を自動で大量に整理できる事である。アプリも工夫次第で素早く起動する事ができる

本記事では、Windowsの機能であるWSL2を使って、基本的なファイル操作や簡単な自動化を紹介する。CLIをおすすめする理由にもある通り、Windows11とPC-TALKERでの操作方法も合わせて紹介する。必ずこの2つでないとCLIが使えないわけでも無いので、多少パソコンに慣れている人は違う環境でも試してほしい。

パソコンを使う基礎知識として、ファイル管理や仕組みを把握するのに役に立つと思うので、是非最後まで読んでみてほしい。

/WSL2の紹介ではCLIを使うためのツールWSL2について説明している。

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